私はこれまでに30年以上ギターという楽器を弾き続けてきています。
しかも、ギタリストとしてギター講師として、今では仕事までギター漬けです。
それでももっとギターのことを知りたい、もっと新しい技術を学びたい…とギター熱が冷めることはありません。
1音鳴らすだけで心に染み入る素晴らしい音を響かせてくれるギターは、私にとってはまさに喜びも悲しみも一緒に奏でてくれるパートナーとさえ言えます。
今回はそんなギターの種類や選び方について徹底解説していこうと思います!
ぜひ、ギターの魔法に触れ、感動の世界へと飛び込んでみてください!
ギターの種類
まずギターと一言で言っても、いくつかの種類が存在します。
イメージしやすいところですと、
エレキギター
アコースティックギター
が頭に浮かぶと思います。
確かに大きく分けるとこの2つに大別できますが、その中でも細かくタイプが分かれていますので、まずはエレキ、アコギの2種類を解説したのち、そこから派生するタイプをご紹介していこうと思います。
エレキギター(エレクトリックギター)
電気を使って音を出すギターで、ロックやポップスなどのジャンルでよく使われます。
さまざまな形状やデザインがあり、Fender社のストラトキャスターやテレキャスター、Gibson社のLes Paulなどが代表的なモデルです。
ソリッドタイプ
エレキギターの中でもっともポピュラーなのが「ソリッドタイプ」です。
ソリッドタイプのエレキギターは、基本的に一枚板の木材で作られており、音響用の空洞を持ちません。
以下にソリッドタイプのエレキギターの特徴と使い方を解説します。
ソリッドタイプのエレキギターの特徴は以下となります。
- ボディが一枚板であり、これによりボディが強度を持ちます。
- ソリッドタイプのエレキギターは、ボディが一体となっているため、荒く歪んだサウンドでもハウリングしづらく、硬質なサウンドを生み出しやすいため、ロックやメタルなどのジャンルまで幅広く使用されます。
- 音のフィードバックを制御しやすい利点があります。このため、音量を上げても安定したサウンドを出すことができます。
- ボディに空洞がないシンプルな構造のため、多様なスタイルのギターが作れる上に、ユーザーの好みでカスタマイズも容易です。
代表的なモデルには、フェンダーのストラトキャスターやテレキャスター、ギブソンのレスポールなどがあります。
これらのギターはピックアップやブリッジなどのパーツをカスタマイズすることができるため、個々のプレイヤーの好みに合わせたサウンドを作り出すことも可能です。
こういう要素がソリッドギターをエレキギターの代表格に押し上げたのでしょう。
フルアコースティックギター
フルアコースティックギターは、ボディ内部が空洞であり、甘くまろやかなサウンドが特徴です。
フルアコースティックギターは、エレキギターとアコースティックギターの正に中間に位置するギターと言えます。
日本では「ハコモノ」とも呼ばれ、ジャズやブルースなどのジャンルでよく使用されます。
フルアコースティックギターの特徴は、以下のとおりです。
- ボディ内部が空洞であること:フルアコースティックギターのボディは完全に空洞になっており、共鳴箱として機能します。このため、豊かな響きや余韻が生まれます。
- 甘くまろやかなサウンド:フルアコースティックギターは、その空洞なボディにより温かく甘いトーンを奏でます。ジャズやブルースなどのジャンルで特に好まれ、メロウなサウンドが特徴です。
- ハウリングしやすい:フルアコースティックギターは、ボディが空洞であるため、高音域でのフィードバックやハウリングが生じやすい傾向があります。これに注意して演奏する必要があります。
フルアコースティックギターは、ジャズやブルース、ロックなどの音楽ジャンルでよく使用されます。そのまろやかなサウンドと独特の響きは、演奏者と聴衆を魅了して止みません。
有名なフルアコースティックギターのブランドとしては、ギブソン(Gibson)やグレッチ(Gretsch)が挙げられます。
これらのブランドは、長年にわたりフルアコースティックギターの製造に携わっており、品質と音楽性の両面で高い評価を得ています。
フルアコースティックギターは、その独特のサウンドと響きを得るために、熟練したテクニックや演奏スタイルを要求する場合もあります。
しかし、初心者でもフルアコースティックギターから始めても問題はありませんので、ご自身の望むサウンドがフルアコサウンドならば躊躇せず手に入れてみてください!
セミアコースティックギター
Gibson社のES-335というギターを筆頭に、とても人気のあるタイプがセミアコースティックギター、通称セミアコです。
こちらもフルアコ同様エレキとアコースティックの両要素を持っていますが、どちらかと言うとソリッド寄りのギターとなります。
以下にセミアコギターの特徴と使い方について解説します。
- セミアコは、ボディ内部に音響用の空洞(セミホロウ)を持ちますが、その一部がセンターブロックという木材で補強されています。
これにより、アコースティックギターのような豊かな響きと、エレキギターのようなフィードバックの抑制が実現されます。 - セミアコギターは、その多彩なサウンドが特徴です。
クリーントーンからディストーションまで幅広い音色を表現することができるため、ジャズ、ブルース、ロックなどのジャンルで幅広く使用されます。
ある意味、最強のギターと言えるかもしれません。 - ソリッドボディよりも軽量:セミアコギターは、一部のボディが空洞であるため、ソリッドボディギターよりも軽量になることがあります。ただ、これはかなり個体差があるので一概に軽いとは言えません。筆者所有のES-335はかなり重いです…。
ただ、軽い個体を選べば演奏時の負担が少なく、長時間の演奏も苦にならないでしょう。 - セミアコには、フィルタートロンやハムバッカーピックアップといったピックアップが搭載されることが多く、セミホロウボディと相まって、独自のトーンを生み出し、特有のサウンドを持つことができます。
なお、セミアコの使い方は、一般的なエレキギターと同様です。
アンプやエフェクターを使用して音を増幅し、指弾きやストロークなどの奏法を駆使して演奏します。
また、セミアコギターは、その特有のサウンドを活かして、ソロ演奏でも多彩な表現が可能です。
アコースティックギター
電源を必要とせず、木製の空洞を持つボディから直接音を出すギターです。
クラシックやフォークなどのジャンルでよく使われます。
サイズや形状には、ドレッドノートやパーラーギターなどの異なるタイプがあります。
クラシックギター
クラシックギターは、ナイロン弦を使用し、独特の優しい音色が特徴です。
その特徴的な点と使い方について解説します。
クラシックギターの特徴は以下のようになります。
- ナイロン弦の使用:クラシックギターは、他のギターと比べてナイロン弦を使用しています。ナイロン弦は、柔らかくて優しい音色を奏でます。この音色は、クラシック音楽やフラメンコなどのジャンルに特に適しています。
- ワイドなネック:クラシックギターは、ネックが太くワイドな作りになっています。これにより、弦の押さえやフィンガーピッキングがしやすくなっています。
- フィンガースタイルの演奏:クラシックギターでは、指で弦を押さえて弾くフィンガースタイルの演奏が一般的です。複雑な指の動きや指板上の音程の移動を通じて、美しいメロディーや和声を奏でることができます。
- アコースティックなサウンド:クラシックギターは、アンプやエフェクターを使用せずに演奏されるアコースティックな楽器です。そのため、自然なサウンドと余韻が特徴であり、演奏者の表現力を引き立てます。
クラシックギターの使い方は、基本的にはフィンガースタイルでの演奏です。指で弦を押さえ、指先や爪を使って音を出します。
クラシックギターは、クラシック音楽やフラメンコなどのジャンルで演奏されることが多いですが、他のジャンルの音楽にも応用することができます。ボサノバなどにもピッタリです。
クラシックギターは、その独特の音色と表現力の幅広さから、多くの人々に愛されていますが、初心者でも取り組みやすい楽器であり、音楽の基礎的な理解やテクニックを身につけるのに適しています。
フォークギター(アコギ)
フォークギターは、金属の弦を使用したアコースティックギターです。
いわゆる「アコギ」として認識されているのがこのタイプです。
ピックを使って弾いたり、指で爪弾いたりとバリエーション豊かな演奏があり、現代ではボディを叩いたり、ベースのようにスラップをしたりと、多種多様な使い方で愛されています。
フォークギターの特徴は以下となります。
- フォークギターは、ブロンズ弦やフォスファーブロンズ弦といった金属弦を使用しています。
そのため、明瞭でクリアな音色を奏でることができます。そういったサウンドからフォークやロックはもちろん、ポピュラー系の音楽など、さまざまなジャンルで使用されています。 - フォークギターはアンプなどの電気を通さずに音を奏でる楽器です。そのため、自然なサウンドと心地よい響きが特徴で、1音鳴らすだけで癒し効果すら得られることでしょう。
- ピックで演奏する場合、強めのストロークで盛り上げたり、カッティングでリズムを軽快に刻んだり、音楽に様々なバリエーションを加えられます。
- 指弾きする場合、豊かな響きのアルペジオ(分散和音)から、一人で完結するソロギターまで、幅広いスタイルに対応します。
主なメーカー
これでギターの種類は大体ご理解いただけたかと思います。
ここからはエレキギター、アコースティックギターの代表的なメーカーをご紹介いたします。
ギターの種類ごとにおすすめのブランドはたくさんありますが、以下のブランドは一般的に評価が高いブランドとして認知されています。
エレキギター
- Fender(フェンダー)
- Gibson(ギブソン)
- PRS(ポールリードスミス)
- Ibanez(アイバニーズ)
- ESP(イーエスピー)
- Gretsch(グレッチ)
アコースティックギター
- Martin(マーティン)
- Taylor(テイラー)
- Gibson(ギブソン)
- Yamaha(ヤマハ)
- K.Yairi
- Takamine(タカミネ)
- Guild(ギルド)
クラシックギター
- Ramirez(ラミレス)
- Cordoba(コルドバ)
- Yamaha(ヤマハ)
- Alhambra(アルハンブラ)
- La Patrie(ラパトリー)
フルアコ/セミアコ
- Gibson(ギブソン)
- Gretsch(グレッチ)
- Ibanez(アイバニーズ)
- Guild(ギルド)
- D’Angelico
上記はあくまでも一例であり、個々の好みや予算によって選ぶべきブランドは異なります。
楽器店で実際に試奏してみることや、自分の音楽スタイルや好みに合ったブランドを選ぶことが重要です。
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ギターの選び方
楽器屋さんで選ぶ
王道中の王道ですね。
やっぱり楽器店で実際に手にとって確認するのが一番オススメの方法です。
ただ、初心者のうちは良い音や弾きやすさの基準がありません。ですので、店員さんに相談しましょう。
その際、音を出してもらうことをお忘れなく!
どんなに初心者とは言え、「こっちの音の方が好き」くらいは分かるものです。
少しでも心の動いたギターを選ぶようにしましょう。
インターネットで購入
最近はこのパターンもかなり増えてきました。
昔であればこの方法はあまりオススメしていなかったのですが、正直近所に楽器店がない場合も多いですし、選び方を間違わなければ最初の一本はネット購入でもありだと思います。
では、ネット購入で問題ないパターンですが、安心のメーカーを買うということです。
エレキもアコギも日本メーカーのものを選んでおけば大きな問題もないでしょう。
最初の1本の価格
いつも私が生徒さんに言っているのは、
3万円以上
です。
この価格帯になると使用パーツも比較的良いものになります。
そのため、チューニングが安定したり破損が少なかったりと、初心者が混乱してしまうような問題が発生しずらく、安心して練習に精を出せます。
この部分は音云々よりも重要な部分だと私は思っています。練習以前の問題で挫折してしまっては意味がありませんから…。
やっぱりギターは楽しい!
ここまで長々と解説してきましたが、書いていて感じたことは
やっぱりギターはめちゃくちゃ楽しいし奥が深い!
ということです。
私はこれまでに30年以上ギターを演奏してきましたが、まだまだ知らないことがだらけです。
そういう意味では人生をかける趣味として最強のコンテンツだと感じています。始めて見ると分かりますが、本当に奥が深いですよ。
弾いて良し、集めて良し、語り合って良し
是非、これからギターを始めようと思っている方は飛び込んでみていただけたら嬉しいです。
人生変わりますよ!
最後までお読みくださり、ありがとうございました^^
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