【プロが本音で語る】ギターピックの選び方完全ガイド2025|ギターピック選びで音色が激変!素材・形状・厚み別完全ガイド
こんにちは!「ギターの処方箋TAKAMURA」代表、高村です。
いきなりですが、想像してみてください。もし、たった100円程度の投資で、あなたのギターサウンドが劇的に向上するとしたら…知りたくありませんか?
「まさか、ピックでそんなに変わるわけないよ」
そう思われたかもしれません。初心者の頃の私も、正直そう思っていました。だから楽器屋で気に入った柄のピックを適当に購入していました。しかし、プロとして数多のピックを試し、数えきれないほどの生徒さんの音作りに関わってきた今、断言できます。
ピック選びは、ギタリストにとって最も手軽で、最も効果的な「音質改善策」の一つである、と。
この記事を読み終える頃には、あなたは「たかがピック」という考えを改め、「されどピック!」と叫びたくなるはずです。さあ、あなたのギター人生を変えるかもしれない、ピック選びの冒険へ出発しましょう!
この記事の目次
なぜピック選びが、あなたのギター人生を左右するほど重要なのか?
「ピックで音が変わるって言っても、微々たるものでしょ?」
その気持ち、すごくわかります。私自身も最初の頃はそんな風に考えてピック選びを適当にしていましたから。でも、もしあなたが今、理想の音が出せずに悩んでいるとしたら…その原因、意外とピックにあるかもしれません。
考えてもみてください。
弦を振動させ、ギターという楽器に命を吹き込む最初の接点、それがピックです。この小さな道具が、音の立ち上がり、太さ、明るさ、そして弾き心地そのものをコントロールしているのです。
実際に、周波数アナライザーで音を分析すると、その違いは驚くほど明確です。
- 薄いピック(例:0.5mm):高音域が自然に抑えられ、まるでシルクのような滑らかで温かい音色を生み出します。
- 厚いピック(例:1.2mm):弦をヒットした瞬間のアタック音が鋭く立ち、まるで研ぎ澄まされた刃のような、輪郭のはっきりした力強い音色を放ちます。
素材の違いに至っては、音の豊かさを決める「倍音」の構成がまるで変わってきます。これはもう、ピック選びが「好み」の問題ではなく、アンプやエフェクター選びと同次元の「音作り戦略」であることの動かぬ証拠です。

ピック選びの羅針盤:素材・形状・厚み、3つの要素を完全マスター!
「よし、重要性は分かった!でも、何から手をつければ…?」
ご安心ください。ピック選びのポイントは、たったの3つ。この「素材」「形状」「厚み」という名の羅針盤さえ手に入れれば、あなたはもうピック選びの荒波で迷うことはありません!
1. 素材別完全ガイド:魂を揺さぶる音色、その源泉を探る
ピックの素材は、音色と弾き心地に最も根源的な影響を与えます。まるで料理の食材のように、素材が変われば味わいが変わるのです。私が長年愛用し、その実力を確信している代表的な素材たちをご紹介しましょう。

セルロイド:迷ったらコレ!時代を超えて愛される万能の王者
音色:クリアでありながら温かみも併せ持つ、まさに「ギターピックのスタンダード」。
特徴:適度なしなりがあり、初心者の方でも驚くほどスムーズに扱えます。私自身、ギターを始めたその日から、幾多のレコーディングやライブを経てきた今でも、このセルロイドのピックは常に私の心強い相棒です。まさに信頼と実績の証ですね。
その中でも特に私が愛用しているのが、写真のIbanezのPaul Gilbert(ポール・ギルバート)モデルです。毎月まとめて10枚を購入し続けています。それほど愛しているということもありますが、毎日何時間も弾いていると、数日に一度交換が必要になるほど摩耗(削れる)んですね。
これがセルロイドという素材のある意味デメリットかもしれません。もちろん私のように毎日何時間も弾き続ける人ばかりではないと思いますので、そんなに気にならないという人も多いと思います(笑)
トーテックス(デルリン):硬質で抜けの良いサウンドはまさにロックサウンドの代名詞!
音色:カラッとした抜けの良い明るい音で、アタック感が際立ちます。
特徴:特筆すべきはその耐久性!激しいピッキングにもびくともしないタフさは、まさにロッカーの頼れる相棒と言えます。ロック少年だった私は、ディストーションを深くかけたパワフルなリフを刻む時は、無意識にこのトーテックスを手に取っていた記憶があります。
定番といえば、JIM DUNLOP ( ジムダンロップ )のTORTEX STANDARDです。昔から私はカメさんピックと言っていましたが、このロゴも可愛くて愛着が湧きますよね!
ウルテム/ウルテックス(PEI):技巧派ギタリストが選ぶ、音の解像度を高める秘密兵器
音色:硬質で極めて明瞭。ピッキングのニュアンス一つひとつを、まるで顕微鏡で見るかのように忠実に再現します。
特徴:しなりが非常に少なく、速弾きや複雑なカッティングなど、ミリ単位の精度が求められるプレイでその真価を発揮します。価格は少々張りますが、一度この異次元のコントロール性を体験すれば、その価値を疑うことはないでしょう。多くのプロが愛用するのも頷けます。
私もテクニカル系の楽曲を演奏するときは必ずこの素材のピックを使っています。JIM DUNLOP(ジムダンロップ)のULTEX JAZZ3を長く愛用してきましたが、全然削れなくて、とても気に入っています。
ちなみに、少し値は張りますが、JIM DUNLOP(ジムダンロップ)のJohn Petrucci Primetone Jazz III Pickは私も愛用しています。先端が少し斜めにカットされたような加工が施されているため、弦にヒットした後にスッと振り抜くことができ、精密な演奏にとても向いています。また、摩耗しにくいので長期間使い続けることができ、コストパフォーマンスも良好です。
ナイロン:指先に伝わる優しさ、アコースティックの温もりを奏でる
音色:マイルドで柔らかく、耳に心地よい角の取れたサウンド。
特徴:そのしなやかさは、長時間の演奏でも指先の負担を軽減してくれます。アコースティックギターで優しいストロークを奏でたい時、あるいはフィンガースタイルとピック弾きを巧みに使い分けたい時、ナイロンピックは最高のパートナーとなってくれるでしょう。
2. 形状別戦略ガイド:あなたのプレイスタイルに変化を起こすフォルム
ピックの「形」は、単なるデザインではありません。それは、あなたの持ちやすさ、弦へのアプローチ、そして最終的には表現力そのものを左右する、極めて音楽的な要素なのです。

ティアドロップ型:変幻自在!バランス型ピック
最も多くのギタリストに愛されている、涙型(ティアドロップ)のピック。その理由は、驚くべき汎用性にあります。先端を使えばシャープなリードプレイ、少し角度を変えて側面を使えば豊かなコードストロークと、まるで魔法のように一枚で二役をこなす万能選手です。プロギタリストの約6割がこの形を愛用しているというデータもあるほどです。
トライアングル型:揺るぎない安定感!ストロークの王様
通称「おにぎり型」として親しまれていますね(笑)。その広い面積は、手に吸い付くような抜群の安定感をもたらし、力強く、かつ均一なストロークを可能にします。3つの角がすべて使える経済性も、ギタリストにとっては嬉しいポイント。特にアコースティックギターのコードストロークや、ギターを始めたばかりでまだピックの持ち方が安定しない方に、心からおすすめします。
ジャズ型:音速を超えろ!速弾きギタリスト御用達ピック
小型で先端が鋭く尖っているのが、このジャズ型の最大の特徴。弦に対する抵抗を極限まで減らすことで、圧倒的なスピードと精度を誇るピッキングを実現します。通常のティアドロップと比べてかなり小型なので、最初は少し扱いにくさを感じるかもしれませんが、一度この異次元のコントロール性を手なずければ、あなたのテクニカルなフレーズは新たな次元へと昇華するでしょう。
3. 厚み(ゲージ)完全攻略:音のキャラクターを劇的に変える厚みの魔法
さあ、最後の要素は「厚み」です。これは、ピックが弦に与えるインパクトの強さを決定し、サウンドのキャラクターを根底から変えてしまう、まさにサウンドの要。下の表を見れば、その威力は一目瞭然です!
分類 | 厚み(mm) | 音色・特徴 | 最適な用途 |
---|---|---|---|
Thin (薄い) | 〜0.6 | 明るく軽やか。よくしなり、繊細で優しい音。 | アコギの弾き語り、アルペジオ、繊細なカッティング |
Medium (普通) | 0.7〜0.9 | 万能なバランス型。迷ったら、まずここから! | オールジャンル、リードもバッキングも余裕で対応 |
Heavy (厚い) | 1.0〜1.2 | 芯のある力強い音。しなりが少なくダイレクト。 | ロック、ハードロックのパワフルなリフやリード |
Extra Heavy (極厚) | 1.2〜 | 超硬質。レスポンスが光速。重厚なアタック。 | メタル、ジャズ、超絶技巧の速弾き |
私のレッスンでは、生徒さんが「こんな音が出したいんです!」と求めるサウンドについて語ってくれる時、その理想のサウンドイメージに合わせて「では、まずこの厚みのピックから試してみましょうか」と提案することがよくあります。なぜなら、この「厚み」こそが、最も直感的かつ劇的に音の変化を体感できる要素だからです。
【実践編】もう迷わせない!ジャンル別・プロが選ぶ「鉄板」ピックの組み合わせ
ここまでの解説で理屈は頭に入ったことだと思います。しかし、あなたはこう思っているかもしれません。「理屈は分かったけど、結局、私にはどれが一番いいの?」と。
その声にお応えいたします!ここからは、私、高村が数々のシーンで導き出した、ジャンル別の「これを選べば間違いない!」という鉄板の組み合わせを、語らせていただきます!
🎸 心に沁みる弾き語りスタイルなら…
推奨:セルロイド × トライアングル型 × Thin 〜 Medium(0.5-0.75mm)
理由:ピックのしなやかな動きが、歌声とギターサウンドを完璧に調和させ、聴く者の心に直接語りかけるような、温かく包み込むストロークを生み出します。木全体が自然に鳴り響き、あなたの感情がそのまま音になったかのようなサウンドを生み出します。
🎸 繊細な指先が紡ぐアルペジオ・フィンガースタイルなら…
推奨:ナイロン × ティアドロップ型 × Medium (0.7〜0.85mm)
理由:あなたの指先の微細なニュアンスを余すところなく弦に伝え、一音一音がクリスタルのように輝くアルペジオを奏でます。指弾きとの切り替えも驚くほど自然で、表現の自由度が格段に向上します。
🎸 衝動を解き放つロック・ハードロックなら…
推奨:トーテックス × ティアドロップ型 × Heavy (1.0mm)
理由:深く歪ませたディストーションサウンドとの相性はまさに鉄壁!地を這うようなパワフルなリフから、魂を焦がすような泣きのリードまで、ロックギタリストが求めるすべてをこの組み合わせが実現します。
🎸 テクニックが炸裂するメタル・速弾きなら…
推奨:ウルテム × ジャズ型 × Extra Heavy (1.2mm以上)
理由:ピッキングのブレを極限まで排除し、一音一音を正確かつ強力に打ち抜きます。あなたのテクニカルフレーズは、かつてないほどの切れ味と迫力を発揮することでしょう。
もう迷わない!あなただけの「運命の1枚」を見つける魔法の5ステップ
「情報が多すぎて、逆に混乱してきたかも…」
もしあなたがそう感じているなら、それは当然のこと。ピックの世界は、知れば知るほど奥深いのですから。でも、大丈夫。ここからは、どんな方でも確実に理想の1枚にたどり着ける、魔法の5ステップをお伝えします。
- Step 1: あなたの「今」を正直に見つめる
(普段どんな曲を弾いていますか?ストロークが多い?それともソロを弾くのが好き?) - Step 2: あなたの「理想の音」を心に描く
(憧れのギタリストのような温かい音?それとも突き抜けるようなシャープな音?) - Step 3: この記事の情報を元に、「これぞ!」と思う候補を3種類に絞り込む
(素材・形状・厚みの組み合わせを大胆に変えてみましょう!) - Step 4: 楽器店へGO!実際に音を出して、その違いを全身で感じる
(可能なら、いつも弾いているフレーズをそれぞれのピックで弾き比べ、録音して客観的に聴き比べてみてください。驚くべき発見があるはずです!) - Step 5: 「これだ!」と心が震えた1枚を、まずは徹底的に使い込んでみる
(そのピックが、あなたの新しい相棒です!)
あなたにピッタリのピックを見つけよう!
理想のピック選びサポーター
いくつかの質問に答えるだけで、あなたにおすすめのピックを診断します!
まとめ:さあ、ピック探しの旅へ!あなたの音作りここから変わる
ここまで長い文章にお付き合いいただき本当にありがとうございました!ピック選びがいかに奥深く、そしてエキサイティングなものであるか、少しでも感じていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。
ギターを始めたばかりのあなたへ:
まずは「セルロイド製・ティアドロップ型・Medium厚(0.7-0.8mm)」という鉄板の組み合わせからスタートしてみてください。これが、あなたのピック探しの冒険における、最初の、そして最も信頼できる指針となるでしょう。そこから、あなたの音楽の好みに合わせて、少しずつ新しい世界を覗いてみてください。その一歩一歩が、あなたを確実に成長させてくれます。
さらなる高みを目指す中級者以上のあなたへ:
曲の雰囲気、フレーズのニュアンス、その日の気分… それらに合わせてピックを使い分けるという発想は、あなたの音楽表現に、まるでパレットに新しい絵の具が増えたかのような、無限の色彩と深みを与えてくれます。投資額はわずか数百円。しかし、そこから得られる効果は、高級なエフェクター1台にも匹敵すると、私は心の底から思っています。
最後に、覚えておいてください。この世に「完璧なピック」というものは存在しません。なぜなら、音楽は常に変化し、あなたの演奏スタイルもまた、日々進化し続けているからです。だからこそ、その時々の最高の自分を表現するために、様々なピックを試し、最適な選択をし続ける「旅」そのものが、ギタリストにとって何より大切なのです。
この記事が、あなたの輝かしい音楽人生をさらに豊かにする、「運命の1枚」との出会いを引き寄せる、魔法の地図となることを、心から願っています。
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