グレッチギター完全ガイド
初心者が知るべき魅力とモデル選びのコツ
なぜグレッチギターは世界中のミュージシャンを魅了するのか?
ビートルズのジョージ・ハリスン、ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァー、そして日本のロック界を代表する浅井健一やチバユウスケ…
これらの伝説的なミュージシャンたちが愛用し続けるグレッチギター。その魅力は一体何なのでしょうか?
「世界一美しいギター」と称されるホワイトファルコンから、ロカビリーの定番6120まで、グレッチギターの世界を初心者にも分かりやすく解説していきます。
グレッチギターとは?その独特な魅力
グレッチ(Gretsch)は、1883年にアメリカで創業された老舗楽器メーカーです。
「きらびやかで温かみのある音色」と「他に類を見ない美しいルックス」で、世界中のミュージシャンから愛され続けています。
グレッチギターの最大の特徴は、「唯一無二の個性」にあります。フェンダーやギブソンとは明らかに異なる、独特のサウンドとビジュアルを持っているのです。
グレッチが他のブランドと違う理由
- ホロウボディ構造:アコースティックな響きとエアー感
- 独自のピックアップ:フィルタートロンやダイナソニックによる個性的な音色
- ビグスビー・ビブラート:自然で表現豊かなビブラート効果
- 豪華な装飾:金色のパーツや美しいバインディング
- 独特のヘッド形状:一目でグレッチと分かるデザイン
代表的なモデルとその特徴
グレッチには数多くのモデルがありますが、ここでは特に人気の高い代表的なモデルをご紹介します。
デュオ・ジェット
特徴
ソリッドボディ構造でありながら、グレッチ特有のサウンドを追求したモデル。パワフルで太いサウンドが特徴。
使用ミュージシャン
- ジョージ・ハリスン(ビートルズ)
- マルコム・ヤング(AC/DC)
ホワイトファルコン
特徴
「世界一美しいギター」と称される、豪華な装飾が施されたモデル。甘く、煌びやかなサウンドが特徴。
使用ミュージシャン
- ビリー・ダフィー(ザ・カルト)
- ジョン・スクワイア(ザ・ストーン・ローゼズ)
カントリージェントルマン
特徴
チェット・アトキンスのシグネチャーモデル。メロウで温かみのあるサウンドが特徴。
使用ミュージシャン
- チェット・アトキンス
6120
特徴
こちらもチェット・アトキンスのシグネチャーモデル。ブライアン・セッツァーの使用でも有名。明るく、歯切れの良いサウンドが特徴。
使用ミュージシャン
- チェット・アトキンス
- ブライアン・セッツァー
テネシアン/テネシーローズ
特徴
セミホロウボディ構造で、独特の箱鳴り感を持つモデル。ロック、ポップスなど、幅広いジャンルにマッチ。
使用ミュージシャン
- ジョージ・ハリスン(ビートルズ)
エレクトロマチック
特徴
グレッチギターのDNAを受け継ぎつつ、高いコストパフォーマンスを実現したシリーズ。初心者にもおすすめ。
使用ミュージシャン
- 多数のアーティスト
有名ミュージシャンが愛用する理由
グレッチギターは、ジャンルを問わず多くの著名なミュージシャンに愛用されています。その理由を探ってみましょう。
ビートルズ時代から現代まで
ジョージ・ハリスンがビートルズ時代に使用したことで、グレッチの知名度は一気に世界的なものになりました。彼が「Something」や「Here Comes The Sun」で奏でたあの美しい音色は、グレッチならではのものです。
ロカビリー・ロックンロールの定番
エディ・コクランやブライアン・セッツァーといったロカビリー界の巨匠たちが愛用するのは、グレッチの持つ「明るく歯切れの良いサウンド」がロカビリーのリズムと完璧にマッチするからです。
日本のロック界でも絶大な人気
浅井健一(BLANKEY JET CITY)やチバユウスケ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)など、日本のロック界を代表するギタリストたちもグレッチを愛用。その理由は:
- 個性的なサウンド:他のギターでは出せない独特の音色
- ステージ映え:ライブでの存在感が抜群
- 表現力の豊かさ:繊細なニュアンスから激しいロックまで対応
グレッチサウンドの秘密
グレッチギター全体の音の魅力
グレッチギターは「唯一無二の個性」と「温かみのあるクリアなトーン」で、バンドサウンドの中でも埋もれず、存在感を放つのが最大の魅力です。
きらびやかな高音域
鮮やかで美しい高音が楽曲に華やかさを添える
パンチのある中音域
バンドサウンドの中でも埋もれない存在感
ふくよかな低音域
温かみのある低音が楽曲に深みを与える
ホロウボディの響き
アコースティックな響きとエアー感
独自ピックアップ
押し付けがましくない軽やかさと個性
ビブラート表現
ビグスビーによる自然なビブラートとエモーショナルな表現力
ジャンル別の活用例
- ロカビリー:明るく歯切れの良いサウンドがリズムを際立たせる
- ロック:パワフルながらも上品な歪みが魅力
- ブルース:温かみのある音色が感情豊かな表現を可能に
- カントリー:クリーンな音色が美しいメロディーを演出
- ジャズ:ホロウボディの響きがジャズトーンに最適
ルックス vs サウンド:どちらが魅力?
グレッチの魅力は「ルックス」と「サウンド」の両方に強く根ざしていますが、どちらがより引き立てるかは、プレイヤーやシチュエーションによって異なります。
ルックスの魅力
- レトロでゴージャスなデザイン
- 美しいバインディング
- 特徴的なヘッド形状
- ステージ上の存在感
- 所有する満足感
楽器店でまず見た目に惹かれて手に取る人が多く、「見た目ありき」で選ぶケースも少なくありません。
サウンドの魅力
- きらびやかで温かみのある音色
- クリーントーンの美しさ
- 歪ませても埋もれない抜けの良さ
- ジャンルを問わない汎用性
- 演奏者の個性を引き立てる
独自のピックアップやホロウボディ構造による唯一無二の個性を持っています。
結論:「サウンドもルックスも、すべてがグレッチならではです。」
多くのプレイヤーは、最初はルックスに惹かれてグレッチを手に取り、使い続けるうちにサウンドの魅力に気付いていく傾向があります。
「ルックスとサウンドが両立していること」こそがグレッチ最大の魅力なのです。
ピックアップの特徴と音色

ハイロートロン(HiLo’Tron)ピックアップの魅力
グレッチのハイロートロンピックアップは、「クリアでアタックの効いた、明るく抜けるサウンド」が最大の魅力です。
クリアで抜けの良いサウンド
フィルタートロンよりも高音が明るく、キンキンとした鋭さがあります。クリーン時はアタック感が強く、ドライブ感のあるかっこいいクリーンサウンドを生み出します。
多彩な表現力
トーンやピックアップセレクターの調整により、甘い音色から甲高い音まで幅広い雰囲気を出すことができます。
シングルコイルらしい反応の速さ
フィルタートロンをシングルコイル化した構造で、レスポンスが良く、繊細なニュアンスも表現しやすいです。
グレッチ特有の個性
グレッチらしいアタックと空気感、独特のドライブ感があり、カントリーやロックンロールなどのジャンルで特に映えるサウンドです。
その他の代表的なピックアップ
- フィルタートロン:グレッチの代名詞的ピックアップ。温かみがありつつクリアな音色
- ダイナソニック:明るくパンチのあるサウンド。ロカビリーに最適
- TV Jones:現代的な改良を加えたフィルタートロン系ピックアップ
初心者のためのグレッチ選び
グレッチギターを始めて購入する方へのアドバイス
グレッチギターは確かに魅力的ですが、初心者の方が選ぶ際にはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
予算を決める
エレクトロマチックシリーズなら比較的手頃な価格でグレッチサウンドを体験できます。まずは予算に合ったモデルから始めましょう。
演奏したいジャンルを考える
ロカビリーなら6120、ロックならデュオ・ジェット、オールラウンドならテネシアンがおすすめです。
実際に試奏する
グレッチの音色は独特なので、必ず楽器店で実際に弾いてみることをおすすめします。
メンテナンスを考慮
ホロウボディは湿度や温度変化に敏感です。適切な保管とメンテナンスが必要です。
初心者におすすめのモデル
- エレクトロマチック G5422TG:手頃な価格でグレッチサウンドを体験
- エレクトロマチック G5220:ジェット系の入門モデル
- プロフェッショナル G6120T:本格的なグレッチサウンドを求める方に
購入前のチェックポイント
- ネックの反りや弦高の調整状態
- フレットの摩耗具合
- ピックアップの動作確認
- ビグスビーの動作(搭載モデルの場合)
- 全体的な外観の状態
まとめ:グレッチギターの魅力を再確認
グレッチギターは、単なる楽器を超えた「音楽的パートナー」として、多くのミュージシャンに愛され続けています。
唯一無二のサウンド
きらびやかで温かみのある音色は他では得られない
美しいルックス
ステージでもスタジオでも存在感抜群
幅広いジャンル対応
ロカビリーからロック、ジャズまで
豊富なモデル展開
初心者からプロまで選択肢が豊富
歴史と伝統
140年以上の歴史が生む信頼性
表現力の豊かさ
繊細なニュアンスから激しい演奏まで
「見た目に惹かれて手に取り、音に魅了されて手放せなくなる」
それがグレッチギターの魔力です。
あなたも、グレッチギターと共に、新しい音楽の世界を探求してみませんか?
きっと、今まで出会ったことのない音色と表現力に驚かされることでしょう。
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