ギター弦の交換時期はいつ?ギター講師が教える3つのサインと最適な頻度【初心者必見】

古くなったギター弦が机の上に置いてある写真

ギター弦の交換時期はいつ?プロが教える3つのサインと最適な頻度【初心者必見】

こんにちは!ギターの処方箋TAKAMURA、代表の高村尚平です。

さて、これを読んでくださっているギタリストの皆さん。少しだけ、ご自身の愛器のヘッドの方に目をやって、心の中で問いかけてみてほしいのです。

「最後に、このギターの弦を交換したのはいつだったかな?」と。

どうでしょう? 「うーん、そういえば1ヶ月以上換えてないかも…」「半年前…いや、もっと前かな?」 なんて、ハッとした方も少なくないのではないでしょうか。

気持ちは、すごくよく分かります。ギターを弾くのは最高に楽しいけれど、弦交換って、正直ちょっと面倒に感じてしまうこともありますよね。

でも、考えてみてください。どんなに腕の良いシェフでも、古くて新鮮じゃない食材を使ったら、最高の料理は作れませんよね。

ギターにとっての「弦」は、まさにこの「食材」と同じ。新しい弦が持つ輝かしいサウンドこそが、あなたの奏でる音楽を、本当においしく、魅力的にするための基本中の基本なんです。

この記事では、「じゃあ、一体いつ弦を換えればいいの?」という、多くのギタリストが抱える素朴な疑問に、プロの視点からズバッとお答えしていきます。

  • 弦交換をしないと、具体的にどうなるの?
  • 交換時期を知らせる、見逃してはいけないサインとは?
  • あなたに合った、最適な交換頻度の目安は?

これらを、誰にでも分かるように、シンプルに解説していきますね。この記事を読み終える頃には、あなたは弦交換の明確な基準を手に入れ、愛器が持つ本来のポテンシャルを100%引き出してあげられるようになっているはずです。

さあ、あなたのギターを、もっと最高の音で鳴らしてあげるための旅へ、一緒に出かけましょう!

目次

なぜ弦交換は大切?放置する3つのデメリット

「古い弦のままでも、音は出るし、別にいいかな…」 そう思う気持ちも分かりますが、実はその状態、ギターにとってはかなりの「ソン」をしている状態なんです。

古い弦を使い続けることのデメリットを具体的に知ることで、きっと「早く交換しなきゃ!」と思っていただけるはずです。

デメリット1:サウンドが著しく劣化する

これが、何と言っても最大のデメリットです。新しい弦は「キラキラ」「シャリーン」といった、心地よい高音域の倍音を豊かに含んでいます。これが、ギターサウンドの「張り」や「艶(つや)」の正体です。

しかし、弦が古くなると、皮脂や手垢、そして金属の酸化によって、この倍音がどんどん失われていきます。

  • 音がこもる、抜けない音になる
  • サスティン(音の伸び)が短くなる
  • いくら合わせてもチューニングが微妙に合わない(特にオクターブピッチ)

こんな症状が出てきたら、それは弦が寿命を迎えているサイン。せっかくの練習や、お気に入りのフレーズも、これではなんだか輝きが半減してしまいますよね。

デメリット2:演奏性(弾きやすさ)が低下する

サウンドだけでなく、弾きやすさにも直接影響が出てきます。使い古された弦の表面は、目には見えにくいレベルで凹凸ができたり、錆によってザラザラになったりします。

  • 指の滑りが悪くなり、スライドやビブラートがスムーズにできない
  • 弦を押さえる指が、なんとなく痛い・引っかかる

こうなると、無意識のうちに余計な力が入ってしまい、フィンガリングの妨げになることも。気持ちよく演奏に集中するためにも、弦のコンディションは非常に重要です。

デメリット3:ギター本体(フレット)を傷つける可能性も

これは少し怖い話かもしれませんが、事実です。特に、弦に目に見えるほどの「錆」が発生した場合、それはもはやヤスリのようなもの。

硬い錆のついた弦でチョーキングなどを繰り返すと、大切なギターのフレットを削ってしまい、すり減りを早めてしまう可能性があるのです。

フレットの交換は、弦交換とは比べ物にならないほど高額なリペアになります。愛器を長く大切に使うためにも、錆びた弦を放置するのは絶対に避けましょう。

見逃さないで!弦交換を知らせる「3つのサイン」

デメリットは分かったけれど、じゃあ具体的に「どんな状態」になったら交換すればいいの?ここでは、あなたの五感で感じ取れる、分かりやすい交換のサインを3つご紹介します。

難しく考える必要はありません。この3つのうち、どれか一つでも当てはまると感じたら、それが交換のタイミングです。

【サイン1】見た目の変化(色と輝き)

これが一番分かりやすいサインかもしれません。新しい弦は、キラキラと宝石のように輝いていますよね。それが、時間と共に輝きを失い、鈍い色に変わっていきます。

  • 弦全体がくすんで、灰色っぽくなっている。
  • よく弾くフレットの上や、ピックが当たる部分だけ色が違う。
  • 茶色い斑点、つまり「錆」が出ている。(これは即交換!)

【高村流チェックポイント】
一番分かりやすいのは、一番太い6弦と、一番細い1弦の色を比べてみることです。あまり弾かない弦と、よく触れる弦とでは、劣化のスピードが全く違います。もし明らかに色が違うなら、交換を検討しましょう。

【サイン2】サウンドの変化(チューニングと伸び)

耳で感じる変化も重要なサインです。以前は気持ちよく合っていたはずなのに、最近どうも…。と感じたら要注意。

  • チューナーで開放弦は合っているのに、コードを弾くと濁って聞こえる。
  • ジャラーンと鳴らした時の、音の伸び(サスティン)が明らかに短くなった。
  • 高音域の「キラキラ感」がなくなり、全体的に「モコモコ」した音になった。

【高村流チェックポイント】
少し専門的になりますが、弦の劣化を判断するのに分かりやすいのが「オクターブピッチのズレ」です。

まず大前提として、あなたのギターのオクターブ調整がもともと正しく行われている場合、新しい弦なら12フレットのハーモニクス音と実音はほぼ一致します。この「以前は合っていたはずのピッチ」が、弦の劣化と共に徐々にズレてくるのです。

やり方はこうです。チューナーを使って、まず12フレットのハーモニクスノート(軽く触れて出すポーンという音)にチューニングを合わせます。次に、同じ弦の12フレットをしっかり押さえて弾いてみてください。

もし、この二つの音程がチューナー上で明らかにズレるようになってきたら、それは弦が劣化してきたサインと言えます。

ちなみに、もし新品の弦に交換した直後でもこのズレが大きい場合は、弦の寿命ではなくギター本体の調整(オクターブ調整)が必要だというサインかもしれません。その際は、私たちのようなプロや、お近くの楽器店に気軽に相談してみてくださいね。

【サイン3】手触りの変化(滑りとザラつき)

あなたの指先は、とても優秀なセンサーです。毎日触れているからこそ、ちょっとした変化に気づけるはず。

  • スライドした時に「キュッ」ではなく「ザラッ」「ガサッ」という感触がある。
  • 弦の裏側(指板側)を爪で軽くこするように撫でてみると、デコボコしている。
  • チョーキングする指が、弦に引っかかる感じがする。

特に、プレーン弦(1〜3弦)よりも巻き弦(4〜6弦)の方が、溝に汚れが溜まりやすく、手触りの変化が分かりやすいです。演奏中に少しでも違和感を覚えたら、それはあなたの指が「もう交換時期だよ!」と教えてくれているサインなのです。

【結論】最適な交換頻度の目安は?

さて、ここまで交換のサインについてお話してきましたが、「結局のところ、どれくらいの頻度で交換するのがベストなの?」という点が、皆さんが一番知りたいことかもしれませんね。

もちろん、これは弾く時間や手の汗のかきやすさ、保管環境によっても大きく変わるので、「この期間が絶対!」という正解はありません。

ですが、私がこれまで数多くの生徒さんを見てきた経験から、一つの「目安」として以下をおすすめしています。

  • プロや、毎日2時間以上弾くような方 →【目安:2週間に1回】
    常に最高のコンディションを保つためには、このくらいの頻度が理想です。レコーディング前やライブ前には必ず交換します。
  • 仕事や学業の合間に、週に2~3日ギターに触れる方 →【目安:1ヶ月~2ヶ月に1回】
    多くのホビーギタリストの方がこのパターンに当てはまるのではないでしょうか。サウンドの劣化を感じ始めるのが、大体このくらいの時期かと思います。
  • 週末にちょっと弾く、月に数回しか弾かない方 →【目安:それでも3ヶ月に1回】
    「あまり弾かないから、弦も劣化しないのでは?」と思われがちですが、実はこれが大きな落とし穴。弦は弾いていなくても、空気中の湿気や温度変化で自然に劣化が進みます。

要するに、弦は生鮮食品と同じで、弾いていなくても時間と共に鮮度が落ちていく、ということですね。

【補足】長持ちさせたいなら「コーティング弦」もアリ!

「もっと弦を長持ちさせたい!」「交換の頻度を減らしたい!」そんなあなたには、「コーティング弦」という選択肢もおすすめです。

これは、弦の表面に極薄のポリマー膜をコーティングすることで、錆や汚れから弦を守り、寿命を格段に延ばした弦のこと。通常の弦に比べて価格は少し高めですが、その寿命は3~5倍とも言われ、交換の手間を考えると、結果的にコストパフォーマンスが良い場合もあります。

サウンドが少しだけマイルドになる傾向があるので好みは分かれますが、一度試してみる価値は十分にありますよ。特に、手の汗をかきやすい方には心強い味方になるはずです。

まとめ:弦交換で、もっとギターが好きになる

さて、今回はギター弦の交換時期について、具体的なサインや頻度の目安をお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 見た目、サウンド、手触りに変化を感じたら交換のサイン。
  • 練習量に合わせて、1ヶ月~3ヶ月を目安に交換する。
  • 弾かなくても弦は劣化するので、定期的な交換が大切。

ポイントは、たったこれだけです。

弦交換は、確かに少しだけ手間のかかる作業かもしれません。でも、それは決して「面倒な義務」なんかではないんです。

自分の手で古い弦を外し、新しい弦を丁寧に張り、チューニングを合わせていく。その一連の作業は、あなたの愛器とじっくり向き合う、とても豊かな時間です。そして、全ての弦を張り終えて、最初にジャラーンとコードを鳴らした時の、あのキラキラした感動的なサウンド。

あれを聴いてしまったら、もう古い弦の音には戻れなくなりますよ(笑)。

最高のコンディションのギターは、あなたの演奏に素直に応えてくれ、インスピレーションを与えてくれ、そして何より、ギターを弾くということを、今よりもっともっと楽しいものにしてくれるはずです。

ぜひ、あなたのギターにも、新鮮な弦という「ごちそう」をあげてくださいね。

この記事が、あなたの素晴らしいギターライフの、ほんの少しでもお役に立てたなら、これほど嬉しいことはありません。

高村尚平 プロフィール写真

ギターの処方箋TAKAMURA
代表 高村尚平

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