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2026.09.06

練習が続かないのは、根性のせいじゃない。始める前に知りたかった3つの処方箋

練習が続かないのは、根性のせいじゃない。始める前に知りたかった3つの処方箋

ギターケースを開けるのが、なんだか億劫になっていませんか。買ったときはあんなに嬉しかったのに、気づけば部屋の隅に置いたまま、何日も触っていない。そんな経験をお持ちの方は、実はとても多いんです。

でも、それは、あなたの根性が足りないからでも、ギターの才能がないからでもありません。

では、何が原因なのか。それは、始める前に誰も教えてくれなかった「ギターとの向き合い方の設計」と関係があります。

この記事を読み終わる頃には、やめそうになる日の正体が分かります。

申し遅れました。ギターの処方箋TAKAMURA仙台利府教室の大槻です。今日は、その正体と、今日から変えられる3つの処方箋について、お話しさせてください。

本編は動画でお話ししています。この記事は、動画でお伝えした3つの処方箋を、あらためて文章に残したものです。

なぜ、指が痛いまま終わってしまうのか

ギターを始めたばかりの頃を、少し思い出していただきたいんです。

弦を押さえると指が痛い。何とか押さえても、音がきれいに出ない。次のコードにうまく指が届かなくて、「あれ、また止まってしまった」と手が止まる。こういったこと、ありませんでしたか。

これは、決して珍しいことではないんです。ギターを弾くためには、5本の指を独立させて動かす必要がありますが、普段の指は団体行動ばかりで、単独行動の経験がほとんどありません。うまく動かせないのは、むしろ当然のことなんです。

指の痛みも、同じです。ギターを始める前の指先はとても柔らかく、その柔らかい指で、細くて硬い弦を押さえるわけですから、痛いのは当たり前です。ギターの弦は、見方を変えれば、ゆで卵を切る道具のようなものですから。

少しずつ弦を押さえる練習を続けていくと、指先が徐々に硬くなって、多くの場合、数週間で痛みは気にならなくなっていく、と言われています。これは、才能とも向き不向きとも関係がありません。

ただ、中には「ずっと痛いんです」という方もいらっしゃいます。これは、指ができあがっていない段階で、練習の間隔が空いてしまうことが原因なんです。せっかく少し指先が固くなったのに、弾かないからすぐに柔らかく戻ってしまう。結果、ずっと痛いという悪いループになってしまいます。痛みが強い日は無理せず休んでいただいて構いませんが、間隔を空けすぎないようにだけ、気をつけてみてください。

上達には、順番があります。指先が硬くなって痛みが気にならなくなり、次に自然な力がついて弦をしっかり押さえられるようになり、そこから指が独立して動く力が養われ、最後に指そのものが弾き方を覚えていく。焦らなくても、順番にやってくるものなんです。

でも、ひとつ、不思議なことがあります。数週間で慣れていくはずなのに、多くの方は、その数週間を待ちきれずに、途中でやめてしまうんです。なぜだと思いますか。

週1回60分と、毎日5分。上達するのはどちらか

実は、週に1回まとめて60分練習するよりも、毎日5分から10分の練習を継続する方が、格段に上達できます。1週間に一度、3時間練習するような、まとめ練習は、あまりおすすめできないんです。

人は睡眠をとることで、学習や訓練の成長を促す、という研究があります。これは勉強やスポーツもそうですが、ギターにも同じことが言えるようです。練習で覚えた指の動かし方は、一時的に脳に記憶されます。そして、睡眠中にその記憶が脳内で整理されて、少しずつ定着していく、と言われています。

一度練習しただけでは、その日のうちに上達を実感できないことも多いと思います。でも、一晩眠って、次の日にギターを持ってみたら「あれ、昨日より指が動く」と感じた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。それも、この仕組みによるものだと言われています。まとめて長時間やるよりも、短くても毎日、眠りをはさみながら続けることに意味があるんです。

ですので、処方箋としての用量を出すとすれば、1日5分から10分、毎日。これを続けてみてほしいと思います。時間を味方につけて、コツコツ続けることが大切です。

実際、毎日5分の練習を続けて、指の痛みも減って、コードもある程度押さえられるようになっていく方は、たくさんいらっしゃいます。

ですが、実は、毎日5分を数週間続けたあとに、ある日ふっと、やめてしまう方がいます。指はもう痛くない。コードもある程度押さえられる。それなのに、なぜか、続かなくなってしまうんです。なぜだと思いますか。

痛みが消えた頃に、なぜやめてしまうのか

実は、身の回りにあるものの中に、そのヒントがあります。ギターは、「箸」を使って食事をすることや、「車を運転すること」と同じなんです。

箸は、幼少の頃はなかなかうまく使えませんが、大人になれば、何も意識せずに手が勝手に動いて、自然に食事をしていると思います。車の運転も、教習所に通い始めた頃は、シートベルト、ブレーキ、アクセル、ミラー、ギア、ウインカーと、やることが山積みで大変だったと思います。でも、教習を重ねることでスムーズに運転できるようになって、長く運転を続けていれば、特に意識せず、何の違和感もなく運転できるようになっていきます。

人の体には、モノに慣れる特性があります。ギターも、同じ道をたどります。毎日触れていれば、やがて意識せず、指が自然に動くようになっていくんです。そうなったとき、ギターはもう特別な道具ではなくて、自分の体の一部のように感じられるようになっていきます。

先ほどの「途中でやめてしまう方」の話に戻ります。実は、指の痛みが取れて、コードもある程度押さえられるようになった頃というのは、箸で言えば「まだ少し意識しながら使っている」段階、車で言えば「路上には出られるけれど、まだ気を張っている教習の後半」くらいの段階なんです。慣れは、もうすぐそこまで来ているのに、本人からは、まだ「頑張って弾いている」ようにしか感じられません。

だから、「これだけ練習したのに、まだ意識しないと弾けない」と、そこで心が折れてしまうんです。でも、これは失敗ではありません。箸も車の運転も、思い返してみると、無意識にできるようになる少し手前が、いちばん「意識している」と感じる時期だったのではないでしょうか。そこを越えた先に、体がギターを覚えてくれる瞬間が待っています。

期間限定だと知ること。毎日5分から10分、続けること。そして、慣れは自分で感じるより先に、体の中で少しずつ進んでいることを、信じて続けること。この3つが揃って、初めて「設計」と呼べるものになるんです。

単身赴任先の、小さなお店の夜

最後に、私自身の話を少しさせてください。

長く単身赴任生活をしていまして、部屋には私以外に誰もいないので、誰とも話さない時間が続くことが、よくありました。

そんなある時、小さな飲食店にギターを持参したんです。そこに居合わせたお客さんが歌に加わってくださって、みんなで何曲も演奏して、とても盛り上がったことがありました。リクエストしてくださった方から、ドリンクをご馳走になったこともあります。

その方に聞くと、生の演奏は、カラオケとは違って臨場感があって、歌っていてとても気持ちが良かった、とおっしゃっていました。

その言葉を聞いて、ああ、あの時ギターを弾いていて良かった、辞めずに続けてきて本当に良かった、と思ったんです。たった一晩の出来事でしたが、今でもはっきりと覚えています。

今、指が痛かったり、コードチェンジがうまくいかなかったりして、心が折れそうになっている方にも、いつかこんな景色が待っているかもしれない、ということを知っておいていただきたいと思います。


最後に、3つだけ振り返らせてください。

数週間後、ふと、何も考えずに指が動いて、自然に演奏している自分に気づく日が来ます。今日の3つの処方箋は、そこにたどり着くための、最初のきっかけに過ぎません。ここから先は、あなたのペースで大丈夫です。

TRIAL LESSON

まずは一度、指の痛みのことから、
一緒にお話ししませんか。

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