【glaive – “astrid”】ギター奏法&楽曲解説
こんにちは!ギターの処方箋TAKAMURA博多教室の講師、岡村です。
今回は、多くのリクエストをいただいていたglaive(グレイヴ)の “astrid” という楽曲を題材に、ギターの演奏方法や音楽理論について、少し深く掘り下げて解説していきたいと思います。
原曲はこちら
まずはじめに、原曲を聴いてみましょう。曲の雰囲気や構成を掴んでから読み進めていただくと、より楽しめます。
楽曲の基本情報
- キー: Aメジャー
- テンポ: 176 BPM
- チューニング: スタンダード
- カポ: 9フレット
【解説のポイント】なぜキーが「Aメジャー」なのか?
この曲を分析し始めた当初、キーを「Dメジャー」として解釈することも考えました。しかし、サビで印象的に下降していくメロディ(A→G#→F#→E→D→C#)に「G」の音が含まれていないこと、そしてコード進行に出てくる「E」の響きが、E minor7よりもE7の方がしっくりきたことから、最終的に「Aメジャー」がこの曲のキーであると判断しました。
【演奏のヒント】なぜ「9フレット」にカポを?
はじめはカポなしで練習していましたが、どうにも弾きにくい…。特に、イントロからAメロにかけてのフレーズと、サビのアルペジオが9フレットのセーハ(バレーコード)を多用する形になり、演奏の難易度が上がってしまいました。
そこで、「9フレットにカポを装着し、開放弦のように弾いているのではないか?」と仮説を立てたところ、これが大当たり。スムーズに演奏できるようになったため、このスタイルを採用しています。
Intro ~ Verse
コード進行:Dmaj7 → F#min7 → Amaj7 → E7
Chorus
サビは、ハイポジションでのメロディ弾きとアルペジオ(分散和音)で構成されています。
メロディ部分で使われている音は「A, G#, F#, E, D, C#」の6音。これらはすべて、キーである「Aメジャースケール」に含まれる音です。このように、曲のキーとなるスケールを理解していると、アドリブを弾く時やフレーズを作る時に「音を外す」という失敗がなくなります。
アルペジオの部分は、コード進行がAmaj7からE7へと移り変わるのに合わせて、以下のようなコードフォームで演奏されています。
- Aadd9: ルート音(A), 長3度(C#), 完全5度(E), そして9度の音(B)で構成されます。「add9」という表記は、7度の音を含まずに9度の音が加えられていることを意味します。
- E6: ルート音(E), 完全5度(B), そして6度の音(C#)で構成されています。


【豆知識】E7コードはメジャー?マイナー?
「E7」のような、いわゆる「セブンスコード」は、長3度(メジャーの響き)と短7度(マイナーの響き)の両方の要素を持っています。どちらに分類されるのか迷う方も多いのですが、音楽理論上は「長3度」が含まれているため、メジャー系のコードとして扱われます。
演奏動画(全編)
最後に
今回は、楽曲の流れと演奏の見た目を重視して撮影しました。ただ、この曲のギターパートは非常に奥深く、コードを鳴らすだけでなく、細かな装飾音がたくさん散りばめられています。そのため、一つのコードだけでは説明しきれない部分も多くあります。
もし、「もっと詳しく知りたい!」というご要望がありましたら、一音ずつ丁寧に解説するような、さらに踏み込んだ動画の制作も検討しています。ぜひ、お気軽にコメントやメッセージでご意見をお聞かせください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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