Nirvana「About a Girl」のコード進行を音楽理論で徹底解析
Modal Interchangeと借用和音の巧妙な使い方を探る
🎸 はじめに
90年代を代表するロックバンド、Nirvana。彼らの楽曲を聴いていると、「あれ?なんだかいつものスケールと違うな」と感じることがありませんか?実は、Nirvanaの楽曲には一つのスケールだけでは説明できない、とても興味深いコード進行が使われているんです。
今回は、そんなNirvanaの楽曲から「About a Girl」をピックアップして、海外の音楽理論サイトやRedditの議論も参考にしながら、この曲の魅力的なコード進行の秘密を一緒に探ってみましょう!
🎵 About a Girl
この楽曲は、Nirvanaのファーストアルバム「Bleach」に収録されています。実は制作中にKurt CobainがThe Beatlesを何度も聴いていて、アルバム全体のサウンドとは少し違うけれど、どうしても入れたかった一曲なんです。結果的に、バンドの音楽的な幅広さを表現する重要な楽曲になりました。
🎼 イントロ・ヴァース部分を見てみよう
まずは、イントロからヴァースにかけての部分から見ていきましょう。ここではE5とG5というパワーコードが使われていて、どちらも開放弦を上手に活用した弾きやすいフォームになっています。


このコード進行の上に、E、D、G、Aの音がメロディーとして歌われています。
これらのコードとメロディーを見ると、Eマイナースケールで考えるのが自然そうですね。ただし、音楽理論では必ずしも最初のコードがキーの中心(トニック)とは限らないので、判断が難しいところでもあります。
🔍 ブリッジ部分の謎を解こう
さて、ここからが今回の本題です!ブリッジ部分では、C#5、G#5、F#5というコードが使われています。
※F#5の部分では、時々開放弦のeとbの音も一緒に鳴らしています。
C#5 (歌詞なし)
G#5 “Take it” E G#
F#5 “advantage while” F# E C#
E、F#、G、A、B、C、D
)には含まれていません。これらの音は一体どこから来たのでしょうか?
🌟 Modal Interchange(モーダルインターチェンジ)の魔法
Modal Interchangeって何?
Modal Interchangeとは、同じキー(今回はE)を中心とした別のスケールから、コードや音を「借りてくる」テクニックのことです。日本語では借用和音といわれるものです。
特に「parallel major/parallel minor」という手法では、曲の途中でメジャースケールとマイナースケールを行き来することで、とても豊かな響きを作り出すことができます。
謎解きの時間です!EマイナースケールにないC#とG#の音。実は、同じEを中心としたEメジャースケールを見てみると、これらの音がちゃんと含まれているんです。
🎵 Eマイナースケール
🎵 Eメジャースケール
つまり、ブリッジ部分では一時的にEメジャースケールに「モードチェンジ」していたということになります!
実際の楽曲ではパワーコードが使われていますが、理論的に考えると以下のようなコードに置き換えることと私は考えています。



🎤 コーラス部分で再び変化が!
最後に、コーラス部分を見てみましょう。ここでも面白いことが起こっています。
E5 B B E G#
“I can see you”
A5 F# E
“every”
C5 G E
“night”




最初のE5コードで歌われる”I can see you”の部分(E、B、G#)は、まだEメジャースケールの流れを引き継いでいます。
ところが!その後のA5とC5のコードで歌われるメロディー(F#、E、G)を見てください。G#ではなくGの音が使われていますね。これは再びEマイナースケールに戻っているということなんです。
🎯 まとめ
いかがでしたか?Modal Interchangeという技法を使うことで、楽曲がこんなにも表情豊かになるんですね。
もしあなたが作曲をしていて「なんだか普通のコード進行だな」と感じたり、「面白いコードは思いついたけど、どんなメロディーを乗せればいいかわからない」と悩んだりした時は、今回学んだModal Interchangeの考え方を思い出してみてください。きっと新しいアイデアが見つかるはずです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。音楽理論って、知れば知るほど面白いですよね!
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